では、同居でお願いします

「海音ちゃん、今夜はとにかく送るから。ああ、朝も心配だなぁ。でも一番危ないのは夜か」

ブツブツと独り言を呟きながら裕哉がああでもない、こうでもないと考えを巡らせている。


聞いてみたい。聞いてもいい?

――どうして彼氏がいないと安心したの?

聞く? 

聞かない? 

聞く?


口を開きかけ――


結局言い出せなかった。


会社で聞くことじゃない上に、悲惨な返事を聞いてしまったら、気持ちを保てる自信がない。この後の仕事に影響を及ぼしてしまいかねない。

「今日は送って帰るから、そのつもりでいてね、海音ちゃん」

裕哉が言い終えると同時に、諸岡さんが社長室に入ってきた。

「社長、T社の方がお見えです」

チラッと諸岡さんが私に視線を投げたので、軽く頭を下げ「失礼します」と裕哉の前から下がる。