では、同居でお願いします

「あのさ……もしもね、私に……私に彼氏ができたら、裕ちゃんは安心する?」

心配をかけたくないからそんなことを聞いたのに、口に出した途端に私の胸は痛みに泣いた。


(やっぱり無理だと思う人に告白するなんて、難しいね、紀ノ川さん)


それでも紀ノ川さんには頑張って欲しい。


「み、み、海音ちゃん……」

裕哉がデスクに手をついたまま目を見開いている。様子がおかしい。

「裕ちゃん、どうしたの?」

「まさか……まさか……海音ちゃん……彼氏が、いるの?」

「え? いえ、その……たとえばだよ、たとえば」

なんとなく気迫に圧されて否定してしまった。

その途端に裕哉は心底安堵の吐息をこぼす。

「そっか、よかった」

(え……そんなに?)

そんなに安心するって、どういうこと?

ドキドキと心臓が早鐘を打ち始め、思わず緊張してしまう。


(まさか……ううん、違うようね、思い違いだよね)


言い聞かせていなければ、勝手に心が弾けそうだ。