では、同居でお願いします



翌日、出社した私をすぐに裕哉が呼び出す。


藤川が連行され、私たちも事情聴取を受けたり、ストーカーの被害届を出したりと、バタバタしていて、裕哉から電話が入っていたが返信できずにいたので、そのことで呼び出されたのだろうと思っていた。

社長室に入ってすぐ、私は頭を下げる。

「社長、昨晩はお電話いただいていたのに、折り返しできなくて申し訳ありません」

先に謝ったのに、裕哉はムスッとしたまま何も言わず私をずっと見ている。

空気が重い。

(どうしたんだろう?)

裕哉の怒ったところを見たことがない。元々の性格が穏和なのだろう。
ところが今は僅かに怒りの空気を感じ、そのことに不安が募る。

「あの……社長?」

怒られる理由がわからない。

昨日は散々裕哉の部屋の掃除をしてコーヒーも淹れて(結局自分でするのは諦めた裕哉だ)夕食も作ったのに、怒られる心当たりがない。

それどころか、感謝されてもいい状況ではないだろうか。

(それなのにどうして目が座ってるの!?)

私を見つめる、と言うよりは、見据えると言った方が正しい、瞳が尖っている。