ガチャ 「ただいまぁ…うわっ!」 玄関を開けた途端に大声を出した私の口を覆う大きな手。 「ひょっと…にゃにしてんの…」 私がバシバシと手を叩くと、その手は大人しく離れた。 「ちょっと!旭!!!なんであんたが家にいんのよ!」 「いや、葉月に用事があったわけじゃねぇし。」 旭はふわぁ〜っとあくびをしながら言った。 「じゃあなんで…」 「あら、遅かったのね。葉月。」 お母さんが紙袋を持って、奥から出てきた。 「あぁ、まぁ…」 先輩に会ったってなんかいい出しづらい。 旭いるし。