「旭。」
「…おぉ、葉月。」
弱々しい笑顔。なんだか心に突き刺さる。
「こ、この前は…ごめん。変なこと言って。」
「別に……」
やっぱり怒ってるんじゃないか!
「葉月、俺次の試合棄権しようと思ってるんだけど。」
旭から思わぬ言葉が出た。
「えっ?ちょっと、それどういうこと?棄権?」
「無理だと思うんだ…俺、最近コンディション悪いだろ?」
「な、何バカなこと言って…」
「まぁ、そういうことで…」
旭が私から逃げようとする。
「ちょっと待ちなさいよ!!!なにいって…」
そのとき、旭の肘につけてあった湿布とサポーターが見えた。
「旭………もしかして怪我してる……?」
