「葉月〜!忘れ物ない?」 高校入学式の朝。 一階でお母さんが呼ぶ声がする。 「はーーーい!今行くよ!」 最後に鏡を確認する。 「よしっ!」 少し巻いてある肩まで伸ばした髪をふわっと翻して、私は家を出た。 「いってきまーーーす!」 私、桜田 葉月(さくらだ はづき)は今日から高校生になりますっ!