あ そ ぼ

〜春樹side〜

何時になくイライラする。
淳史の奴…
クラスメートの瑠美が
死んでしまったというのに…
何故あんな風に
平然としていられるんだ!…

あれからまだ
授業を受けている人数は
クラスメート30人の内、半数程…。
残りの半数は欠席や
保健室でカウンセリングを受けている。
無理もない、この上なく
ショックな出来事が
起きてしまったんだ…
自殺だなんて……
考えただけでも怖い

「あ、あのっ…」

声をかけられ顔を向けると

「あっ!…ご ごめんなさいっ…
あの、ハードルを片付けに…」

望希は申し訳なさそうに
肩をすくめた

「え…あぁ!そうだった、
先生に頼まれてたんだったな」
「う、うん」
「あ、今なんで謝った?」
「えっ…と春樹くん…
なんか怒ってない?」

あ…そうか、イライラしていたのが
顔に出ていたのか。

「いや!怒ってない。ごめん、
片付けに行こうか」

ハードルをまとめて持ち上げ
歩き始めた時――
キーン コーン カーン…

「きゃっ!…」

短く悲鳴をあげて
膝から転んだ望希…

ガシャンッ ガラン…カランカラン…

「痛!…」
「わっ…大丈夫?…」

見ると太ももあたりを
手で押さえていたけど、
そこから血が見えた…ハードルを
落としてしまった時だろう

「あ!怪我…俺が
片付けとくから、望希は
早く保健室行った方がいい」
「あ…うん…ありがと…そうする…」

すくっと立ち上がってから

「迷惑かけてごめんね…」
「あ〜いや、それより1人で
行くの平気?」
「大丈夫…ハンカチあるし
止血しながら行く…」

背を向けてズルズルと片足を
引きずりながら歩き始めた
望希の様子に、
若干の異変を感じた

「え…やっぱり俺も一緒行くよ。
あ!お―いっ純平―悪いけど
ハードル片付けてくれないか―?
保健室に用ができたんだ―」

まだ近くを歩いていたので
声をかけ頼んでから
保健室へ付き添いにいった