「…あれ?望希?」
純平が望希の顔を
覗き込むように見る。

…顔色が悪くなってる…
「あ、まだ具合悪かった?
大丈夫か?」
俺も望希の顔を見る…

「……あのっ…」
何か望希が言いかけた時

――ガラガラッ…

「…あ、居た居た…」

ドアが開き聞こえた声に
教室内の声がピタリと止まる。

「…あっれ?淳史じゃん!
今来たの?もう帰る時間じゃん!」

真っ先に話しかけたのは純平。

「まぁ細かいことは気にすんなっ」

どうってことなく、こっちに
近付いてきたかと思うと…

「…望希っ 今日、一緒に遊ばね-?」

ニヤリとしながら望希の肩に
手をおいた。
その時、ビクッとしたが望希は
返事をした

「…う…うん」

ぽかんとしてしまったが咄嗟に
口に出た

「おいっ淳史…望希はまだ
体調悪そうなんだけど」

「ん〜学校来てんだし、
もう平気だろ。な、望希」

言われた望希が小さく頷くと

「じゃ…行こうぜ」

淳史は楽しげに
望希の手を繋ぎ、2人は
教室を出ていった…