キーン コーン カーン コーン――…

「うしっ今日はグラウンドで
野球しよ-ぜ」

昼休みの時間を知らせる
チャイムがなったら、
すぐさま立ち上がって
男子数人に声をかけたのは
このクラス1強い存在の淳史。

「なーぁ、どいつでもい-から
行こうぜ」

あっけらかんとしたその様子とは
正反対にクラス内はシーンと
静まり返っていた。

昼休みだから遊びに行こ、
なんてことない小学校内で
ありふれた声だが…

「お前っ…よくいつも通りに
してられるな!」

震えた声で切り出したのは
学級委員長の春樹だ。

「あ?…なんて?」

小学6年生にしては
威圧感のある淳史、
身長も高く体格もいい、
声変わりしている声が
1トーン低くなった

ピリついたのを察した
クラスメートたちは
視線を逸らしたりして
口を挟まないよう黙り込んだ

「だから……
瑠美のことだよ!……」

さらに暗くなる教室内…

「………」