終わらない英雄の記憶

また赤い廊下を歩く。


コツコツ、とヒールの音を響かせて。



フィンの部屋に戻るために。



久々に世間話をした。



しかもこの国の王である方に。


『……バレはしないか?』



心配そうな、心細かに神が言う。



「ん、平気。部屋から出る時に名前は伏せてって言っといたから」



私は平気そうに笑った。



大丈夫、彼のその不器用はやっと通じるから。


愛する人に絶対に。



『しかし、君は恐れを知らないよな』