終わらない英雄の記憶

独り言にしては大きな声に、王子は反応したが特に気にしない様子だった。



『こやつは王子だ。簡単に城に入れるだろう』



神は、城に入って情報を盗む犯人を探せ、と。



「返事がねーなら連れていく」


私が無反応なのを理由に、私の腕を引いて歩き出した。



途中、国民とすれ違えば白い目を向かれたり、女性軍は睨んでいたり。



城へ入ると、今度は執事やメイドたちに話しかけられ、困ってしまう。



「国王陛下、新たなメイドを雇いました」



「またお前は勝手なことを。王子なんだ、自覚をしたまえ」



王子は、豪華な椅子に座り仕事をしているこの国の王、そして彼の父である者に声をかけた。



しかし、国王は彼の話には耳も傾けずに、自分の仕事を続ける。