今日も城の中はとても騒いでいた。



舞踏会などそう意味ではない。



驚くことに、サンダー王子がマリアさんを城へ連れてきた、らしい。



私も実際は見ていないから。



「サンダー第一王子が、恋人を連れてきたらしいです。お会いになってはいかがです?」



街を回って帰ってきたフィンに話しかけてみた。



しかし、予想していた回答とは大違いだった。



「別にサンダーが恋人を連れてきたって、いつも通り国王に別れさせられる」




「国王に別れさせられる、ですか?」



「ああ、あいつは昔からこんな奴だ。城の事なんか無視し、自分の好きなことだけ全うする」