私は歩み出さないサンダー王子の背中を押した。



「君の名前は…」



私は指でサンダー王子の言いかけた言葉を塞いだ。



「それは彼女に聞いてください。国王に認められると良いですね……」



私は軽く礼をすると、この場から立ち去った。



サンダー王子がマリアさんを迎えに行く後ろ姿を見て。



「さってと、早めに帰っなくちゃフィンに疑われちゃう」



血のついた太刀を雑巾で拭き、そして鞘にしまった。



意外と早く加速したよ、ジゼン戦争。



1つの使命を終わらせ、心に安心感が生まれた。



しかし、まだ終わってはいない。



私は急いで城へ戻った。