後ろで眺めていたタユさんは、顔を顰めて私を睨みつけていた。



「どうしてあなたに個人情報を教えなくてはいけないんです?」



タユさんに目線を向けながら更に口を開くと、睨んでいた顔は次第に明るくなった。



そして口パクで、良くやった、と褒めてくれた。



「良くやった、じゃねーだろ」



タユさんの隣にいたナルビさんは、フィンに聞こえないくらいな小声でタユさんに言った。



残念ながら私には聞こえてたけどね……。



「ハー、今回は見逃してやる。だが、次からは休む時は俺に一言かけろ。いいか」



「有り難き幸せな」