翼の欠けた小さな鳥は、籠に囚われ、夢を無くした。



『まさに、この事なのだな』



シュワと周りに風が吹くと、そこに立っていたのは見知らぬ男性だった。



マディーが眠るベッドに近づくと、溜まった涙を拭き取った。



そして、長くて邪魔な前髪をサラッと退かし、空いた額をキスをした。



「んっ……」



マディーの乾いた声が響き、人となった神はビクッと驚いてしまう。



起きないと感じた神は、布団も掛けずに眠ってしまったマディーを布団の中に入れてあげる。



『すまん、マディー。私の願いが君を縛っていたんだ』



そう呟いた神は、音も立てずに消えた。