終わらない英雄の記憶

私は渡されたメイド服に着替え、鞄にしまっていた短刀をスカートの裾で隠れている右の太股にしまう。



そして愛用している太刀は鞄にしまい、銃を反対の左の太股にしまった。




そしてタユさんに一通りチェックしてもらい、フィンが待つ部屋に向かった。




「お待たせしました」



思っていた通り、フィンはソワソワと部屋を行き来していて、私が入ると動きを止めた。




「に、似合っているぞ……」




「ありがとうございますっ」



10年ぶりにスカートを穿いたが、あまり好みではないな。



足元がスースーして、もう春なのに寒い気がしてたまらない。