三村さんには、いつも真央くんのことで相談に乗ってもらっている。相談に乗ってもらうと大体『いい加減別れてあげたらどうなの』と厳しい言葉が返ってくる。
「メンタルは真央くんに鍛えられたんです。元々は湯豆腐くらいのメンタルでしたから。それより、やっぱり私は別れた方がいいのでしょうか……」
「うん。何度もそう言ってる」
「三村さん、そこ、即答しないでくださいよぉーー!傷つきます!」
迷わず首を縦に振った三村さんに私のハートにヒビが入った。もう少しでバキバキに折れてしまいそうだ。
「彼氏にそんな塩対応され続けて耐えてるハートでしょう? このくらいのことじゃ傷なんてつかないわよ」
「そんなことないですー!三村さん本当容赦ないんですもん」
「本当のこと言ってあげてるだけよ。彼、まだハタチでしょう? まだまだ遊びたい年頃じゃない。それを三十路が縛るってどうなのよ」
「う……」
確かにそうだ。三村さんの言っていることは間違いない。私は、真央くんの一番楽しい時期を、私のワガママで縛ってしまっている。
こんな旬な時期に、三十路の好きでもない女と一緒にいさせるなんて……酷いよね。本当に。

