「だって……よく考えたら、私と真央くんって釣り合わないし……私三十路だし……可愛くないし、真央くんだって、仕方なく私と付き合ってるんでしょう……? そんなの、おかし……ひゃっ⁉︎」
気づけば私は真央くんの腕の中にいた。
「なんなん。釣り合わんとか、可愛いないとか、俺が仕方なく付き合うてるとか……そんなん、誰が言うてん。」
「えっ……?」
「ここ数日様子おかしいな思うてたら……なんや、こういうことか。何を思うてそんなこと言うてるんか知らんけど、仕方なく付き合うてるつもりなんかさらさら無いわ。ほんで、自己評価低すぎ。変なとこポジティブなくせになんでそこだけほんなネガティブやねん」
腹立つわあ、と言った真央くんが少しだけ私から離れた。かと思えば、拳にした右手で軽いパンチをくらわせてきた。
私はパンチをくらった頭を両手で抑えながら真央くんを見上げた。
「痛いよぉ……真央くん」
「このバカにはそのくらいせな分からんやろ。ほんま……時間ない言うてんのにそないな話してなぁ」

