それから、クラスでは体育祭の話で持ちきりだった。他のクラスはだれか応援団やるんだろう。
「ねぇ、凛子。凛子は誰の学ラン着たいの?」
「さぁ、誰でしょう。」
「ええー、教えてよ。私も教えるからさ。」
有紗もいるんだ。みんな恋してるんだ。
そうだよねきっと、みんな好きな人の学ランが着たいからなんだよね。
「私は、陽くんのが着たいの。で、有紗は?」
「えっとー、私は遥輝くんの。私ずっと好きだったんだ。だから、凛子が遥輝くんと帰るって聞いた時はびっくりしたけど。でも、良かった。お互い頑張ってゲットしようね。」
「うん、絶対にがんばる。」
それからは毎日毎日、応援団の練習がはじまった。まだ、5月だったけど、とっても暑い気がした。それはきっと気持ちがそうなんだからと思うけど。
その日は、陽くんと喋りながら帰った。
「なぁ、凛子。」「なに?陽くん。」
「お前は誰の学ランきんの?」
「じぁあ、陽くんは誰にかしたい?やっぱり、彼女さん?」
ちょっとおちょくってみた。照れてる。
「ちげーよ、ばーか。凛子。」
「絶対ウソだ。」
「これ、マジのやつ。」
「私もやっぱり陽くんのかな。」
二人で顔を見合わせて、笑いあった。
もう、陽くんしか見えなくなっていた。