「何だよ。もう話は済んだだろう。」
「お願い、もう一度やり直そう。」
「ごめん、それはできない。」
「なんで、どうしてなの?」
「好きな人ができたんだよ。」
「はあ?誰よ。」
「いえない。」
「じゃあな、そういうことだから。」
「ちょっと待ってよ。」
聞いちゃった。聞いたらダメだと思ったけど。そっか、陽くん彼女いたんだ。そうだよね。そりゃモテるもんね。
「凛子。お前もしかして聞いてたのか。」
「聞くつもりじゃなかったけど。ごめんなさい。どうしても陽くんのことが気になって。彼女だよね。」
陽くんの顔が歪んだ。
「あぁ、でも別れることにした。」
「今日は一緒に帰るぞ。だから、待っといてくれよな。」
「了解しました。」
陽くんも陽くんで色々あるんだ。
そうだよね、二人とももう高校生何だから。

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また、一緒に帰る日々が続いた。
次の日、教室では来月の体育祭の応援団長を決めなければならなかった。初めての高校の体育祭。一体どんなものなんだろう。
「よーし、じぁあ始めるぞ。」川田先生のだみ声が響く。
「うちの学校では、男子の応援団がクラスから5人、女子も同じく5人の計10人でやる。んでー、先に男子の応援団があって、午後に女子の応援団、でー、女子は他の男子の応援団の中から学ランを借りて応援する。もちろん、他のクラスのやつでもいいぞ。」
クラスがざわつきはじめる。
「まずは、委員長の平沢と、中西は決定で、ほかに誰かしたい奴いるか。」
クラスは一気に一人に注目した。それは、
「はい、俺やります。」
陽くんだった。そしたら私もやろっかなそして、陽くんの学ラン着て応援するんだ。
それから、残りの3人が決まった。体育系男子ばかりだ。
「じゃー、次女子でだれか。」
「ねぇねぇ、凛子やろっか。」有紗もやる気だ。そして、私達は手を上げた。
「おおー、そうかやってくれるか。」
あとの二人はテニス部キャプテンの香織と、爽香に決定した。絶対に陽くんの学ラン着てやるんだから。