【宏貴へ。
この手紙を読んでるってことは、私死んだんだね…。
あの日急いでたのは宏貴に虐待の事を知られたくなかったから。
逃げたの。
『気づけなくてごめん。』とか思ってる?
もしかして泣いてる?
泣かないでよ。
笑って、笑って、笑って。
悲しくても、悔しくても宏貴には笑っていてほしいな。
私、天国で見守ってるからね。

宏貴と過ごした時間は私の宝物だよ。

ずっと言えなかったけど、大好きだよ。
ありがとう。
本当にありがとう。

そして、さようなら。

愛美より。】

俺は静かに手紙を閉じた。