「宏貴ぃぃぃぃぃぃ!!」

いつもの通学路。
幼馴染みの声がして、後ろを振り向く。

俺、坂本宏貴。

「今日も暑いね〜早く冬にならないかな〜」

ダルそうに言う幼馴染み。
来栖愛美(くるす まなみ)。

愛美とは幼稚園からの仲で家も近い。
登下校はいつも一緒。

『んで、冬は夏がいいとか言うんだろ?』
俺は呆れながら愛美に言う。

「いっ、言わないし!!」
愛美は強気だ。
負けず嫌いで努力家。
まぁ、泣き虫でよく慰めることがあるけど…。

『ははっ』

他愛のない話をしてると学校に着いた。

そこからは普通の学校生活。
チャイムが鳴り、生徒が一斉に教室から出て行く。