『今まで、一緒にいた理由分かる?』

『あんたが、ブスだから』

『隣にいたら、モテるようになるでしょ?』








裏切られた親友に言われた言葉。ふと頭の中に浮かんだ。

そこから虐められて、味方もいない、一人ぼっち。

思い出したくないのに………思い出してしまった。

あれから、人を信じることができなくなった私は、

誰とも喋らないようにしてる。













一時間目、数学。隣から、ゴソゴソ…と音が聞こえた。

嫌な予感しかしない。









「先生!教科書忘れました〜」

「隣の人に見してもらいなさい」

「相川さん、いいかな?」








こういうとき、机をくっつけて見なきゃいけないから大嫌い。

だから私は、無言で彼に教科書を渡す。そして、窓を向く

別に授業が嫌いだからとかじゃない、

一緒に見るのが嫌なだけ。ただそれだけだった。









「……相川さんは、教科書いらないの?」

「………」

「そっか…ありがと」








私が、無視してばかりだから、諦めてくれた。

数学とか復習とかしとけば、大体はわかる。











でも、「ありがと」という言葉は久しぶりに聞いて

なんだか、嬉しかった。