トントン
「戀さま、葵さまが、葵さまが…」
「葵が?いまいく」
「葵?葵!」
葵がベッドの上で目を覚ました
初めて入る葵の部屋
そこには何にもなかった
家具があっても物を置かず
服だけ
「葵の部屋には何にも無いんだな」
「戀さま、葵さまの部屋は葵さまの心と一緒ですね」
「え?」
「戀さま、私はこれで」
わからない言葉を残し出て行った
「れ、んさ、んごめん、なさい」
「え?なんで謝るんだよ」
「ちひろねえさんじゃなくて
わたしがしねばよかった」
「なんでだよ、千尋は千尋、葵は葵だろ」
「わたし、はそのことばでじゅうぶんなまえをよんでくれてちがうっていってくれるだけで」
葵は穏やかな笑みをみせた
「喋らなくていい、喋らなくていいから俺の側にいて」
葵はベッドからおき、俺の側に来て手を握った
「れんさん、もういいよわたしのそばにいなくて
戀さんは、寝てるときいつも千尋、千尋って千尋姉さんの名前をよんで苦しんでる、私が手を握れば嬉しそうに笑みをみせてくれる、それが苦しいの」
「ちがう、おれは葵が「戀さん、きいて」」
「この家をみれば千尋姉さんが愛されてたことにすぐ気付くよ、千尋姉さんは背が高いから、キッチン、本棚、は私じゃ不便で、お風呂は大きくて、千尋姉さんでぴったり、私じゃ大きすぎ、千尋姉さんに比べて身長が低いわたしはこの家が合わないの」
「それは」
「それにね、用意されてた戀さん好みの服は千尋姉さんようだからわたしにはでかすぎて似合わない、指輪もネックレスにしないとすぐ落ちちゃう、千尋姉さんはピアスをしてるからいっぱいピアスがあった、けどわたしは金属アレルギーでピアスの穴を開けてない」


