白と黒、そしてグレー。


「涼ちゃん。私、何もできなくて...怖くて
 トラックの人も助けてって私を見てて。
 ただ見てるしかできなくて、最低だ...」

恐怖で動かない足。

助けることなんてできなくて

声を上げることもできなくて

ただ、見てるしかなくて...

「トラックのブレーキが故障して起きた事故
 だって言ってた。あの人の運命だったんだよ
 お前のせいなんかじゃない。違うからな」

涼ちゃんが強く抱きしめた

私は涙を

しばらく止めることができなかった。

それと同時に、

私も死ぬんだと理解できた。

これは運命なんだって

嫌でも思い知った