白と黒、そしてグレー。

「なんでお前が泣くんだよっ」

私は涼ちゃんのこと何も知らなくて、

それなのに好きだなんて無神経すぎる

涼ちゃんの笑顔なんて表面上のことだけで

それで好きになっただなんて嬉しくないよね。

自分よがりの好きなんて要らないもん

「だって、だって涼ちゃんが...」

「可哀想だと思った？」

「そんなんじゃなくて、涼ちゃんの
　今日まで生きてきた気持ちを考えたら
　悲しくて涙が止まらなくて」

涼ちゃんは困ったような寂しいような
そんな笑顔で私の頭をなでた。

涼ちゃんのほうが苦しいのに

いつもこうやって泣くと
優しく包んでくれる。

そんな涼ちゃんだから

私も守りたくて支えたくて、

愛しくてたまらなくなる。