白と黒、そしてグレー。


おばあちゃんは私の周りや後ろを見て
頷いたり、私の目をじーっと見たり

何も言わないまま1時間が過ぎた。

「ふふ。良いカレだね」

えっ?いるのかな?!

「し....死神のことですか?」

「死神なんて名ばかりの物で、
 あの子は神様の心を持っている人だね」

「神様ですか?」

「神様はね、皆が幸せになれるようにって
 自分を犠牲にしてでも誰かに愛を
 与えられる心じゃないとなれないんだよ」

「...じゃあどうして神様じゃなくて
 アイツは死神なんですか?」

「あんたは前世の記憶があるかい?」

前世?前世って今の私の前ってこと?

「いえ、何も...」

「ハルはどうだい?」

おばあちゃんが私の隣を見ている。

ハルってアイツの名前かな?