比野…まりか。
あの笑顔が離れない。
初めて、胸がドキドキと苦しくなった。
…これが恋だと、気づいた。
「ゆめー、何組?」
「んっと、4!」
ぴょんぴょん跳ねながら一生懸命俺の質問に答えるために見るゆめ。
可愛くて、思わず頬が緩む。
うさぎかよ〜こいつは。
その隣で比野さんもまた微笑んでる。
ーーーーードキッ…
あぁ、完璧俺は比野まりかが好きだ。
「ゆめ、俺は?」
「んもー!舜は自分で見れるじゃんかー!!」
「字が小さくて見えないんだよー」
あからさまな棒読み。
それもわかっていながらも見る、ゆめ。
なんでそんな一生懸命なんだよ、ゆめ。
「舜はーー…っ、5組だよ!」
一瞬悲しげに顔を歪めてでもすぐ笑顔で答える、ゆめ。
ーーーー俺が見逃すと思ってるのか?
何年、ゆめといるんだ。
わかるんだよ、その少しの変化でも。
「っ、あれ?舜まりかと一緒だー!」
「えっ?」
「ゆめと一緒じゃないの〜!!」
比野まりかと一緒…??
……やっば。
仲良くなれるチャンスだ。
純粋にこの時の俺はそう思ったんだ。

