昔はこの道を舜と手を繋いで歩いていたのに。
“舜ちゃん”って呼べば“ゆめ”って笑顔で言ってくれた。
最近まではそんな毎日だったのに、いつから変わったんだろう。
いや、あたしの意識を変えすぎたのかな。
あたしが気にしすぎたのかな、まりかの存在を…舜の気持ちを。
「ゆめ?ぼーっとしてると置いてくぞ?」
「あ…ごめんね…」
いつの間にか足を止めてたあたし。
ぼーっと進んでいく舜の背中を見つめれば胸はきゅーっと締め付けられる。
こっちを向いて、振り向いて。
他の女の子なんて好きにならないで、離れて行かないで。
あたしのことを置いてかないで、手を繋いで昔のように引っ張って。
好きになればなるほど、好きが深くなれば深くなるほど、あたしはこんなにも欲張りになっていった。
「しゅ、ん…」
「ゆめー?」
「いか、ないでっ…!」
「ゆ、め…?」
欲張りになっていけばいくほど、舜が欲しくてたまらない。
舜の心が欲しい、あたしに“好き”っていって。
一回でいい、嘘でもいいから…あたしに舜からの“好き”がほしい。
あたしの方が誰よりも舜を知ってるんだよ?良いところも悪いところも。
あたしは誰よりも先に舜の事を好きになったんだよ。
舜への気持ちなら……誰にも負けないのに。
好きになってほしいって舜に思うのは、良くないことなのかな。
だって、舜はあたしを“家族”のように思っているものね。
「なんで泣くんだよ、どうした?」
「ばか…舜のばか…おたんこなす!鈍感!」
「はあ?」
こんな風に君への気持ちも告えたらいいのに。

