優しくあたしを抱きしめる舜。


舜を受け入れてるあたしも抱きしめてる舜もあたしたち2人は弱い。













「舜…もう…離して?」

「…なぁ、舜ちゃんってもう呼んでくんねぇーの?」

「っ…それは、呼ばないよ…」

「ごめん…でも、ゆめに呼んで欲しいんだ…」











どうしたんだろう、舜は。

前までは特に言わなかったのに。

一回だけ“舜ちゃんって呼ばなくなっただろ”って言われたことはある。

でも、“呼んで”なんて言われたことないよ。


ーーーーまりかのこと、好きなんだよね?

なんて不意に思ってしまう。

前よりもきっとまりかのことが好きなんだなって思うことがなくなったからだ。
















「舜、あたしは呼ばないよ」

「っ…ゆめ…」

「他人のようには接しない。…でも、舜ちゃんとは呼ばない」

「ごめん…ごめん…」

「あたしたちは友達だよ、舜。一番の友達だよ」















そういって笑えば、いつもは安堵したように笑うはずなのに舜の顔は晴れない。



どうしたら舜の顔は晴れるの?

ーーーーわかんないよ、こんなの。















「…帰ろ、ゆめ」

「……うん」













どちらからともなく抱きしめてる腕を離して、離れる。


人1人入れるくらいの距離をあけて。