「じゃあ母さん、ゆめ迎えに行ってくるわ」
「わかったわ〜!あ、ついでに醤油買ってきてくれない?切れそうなの!」
「はーい。んじゃ、行ってくるわ〜」
「いってらっしゃーい」
学校から家までは20分かかるから6時45分くらいに家を出た。
7時を少しすぎたくらいがきっとちょうどいいだろうから。
「ゆめに連絡するか…迷うな…」
ゆめに先に連絡を入れといてすれ違うのは1番避けたい。
でもあんなことがあった手前言いづらい。
ーーーでも、迎えに行くって決めたんだ。
俺は意を決してゆめに連絡を入れた。
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今日俺ん家に泊まんない
とだめらしいから、7時に
迎えに行く。
まってて。
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こんなに送信するのに勇気を出したのは、ゆめに離れたいと遠回しに言われた時以来だ。
ゆめはもう、部活は終わったのか。
まだやってるのか…。
きっとゆめは可愛いからヤラシイ目で見られてんだろうな、モテるんだろうな。
なんで、男バスのマネージャーなんか…!
黒田航平…余計なことしやがって。
ゆめを男から遠ざけたかったのに。
7時に校門に着くと体育館の電気はまだついていた。
でも…バスケ部のメンバーはみんなぞろぞろ帰ってくる。
ーーーーーいない。
帰ってきてるメンツの中にゆめと黒田航平だけがいない。
いや、先に帰ったのか?
……でも返事も既読も付いてない。
ゆめ、どこにいる?何してる?
まだ…残ってるのか?
黒田航平と……?

