1人で歩く帰り道は無性に寂しくなる。
ゆめは今何やってんのかなーとか。
ちゃんと部活行ってるかなーとか。
ゆめのことしかでてこなくて、ゆめと離れるなんて思いもしなかった。
「しゅーんちゃんっ」
「っま…りか…」
一瞬ゆめかと思った。
“舜ちゃん”なんてもうゆめは呼んでないのに。
この呼び方はゆめだけだと思ってた。
舜ちゃんって呼び方だけはゆめだけのにしたかったのに…ごめん。
わかってた、わかってたんだ。
まりかが呼ぶからゆめは呼ばなくなったんだろう…?
ごめん…ごめんな、ゆめ。
「舜ちゃんどうしたの?」
「やっぱ…さ、呼び方…」
「どうして?ゆーちゃんはいいのにあたしはだめなの?彼女なのに?」
「その呼び方はっ…」
「ゆめのこと、すきなの?」
これ以上言ってもまりかは直す気はない。
ーーー今大切にするべきなのは、まりかなのにな。

