「わぁ〜桜!!綺麗だよ!」
「あんまり見とれてると遅れるぞ〜」
「舜、先に行ってて!舜は新入生のあいさつあるでしょ?」
「ゆめは?行かないのかよ?」
「いくよ!けど、まだ見たいから!」
「まあここ学校の敷地内だけど、迷うなよ〜?体育館だかんな?」
「わかってるよ!!いってらっしゃい!舜!」
「うしっ、いってくる!」
そういって、あたしの頭をポンポンっと撫でてから走って体育館に向かう。
真っ直ぐ、真っ直ぐこっちを振り返ることなく。
こっち向いてくれたっていいのに〜。
「体育館、行かないの?」
「わっ!…えっと?」
「あ!ごめんね!可愛かったからつい…。私、比野まりかっていうの!」
「篠崎ゆめです。えっと…おはよう?」
「おはよう!ねえ、よかったらお友達にならない?」
「え!本当に!?」
こんな早くに友達ができるなんて!
しかも!美人さんで性格良さそう…!
こんな人と友達になれるなんてあたしついてる!
「私のことはまりかって呼んで!なんて呼んだらいい?」
「呼びやすいのでいいよ!」
「ゆめ…だから、ゆーちゃん、とかは?」
「初めて呼ばれる!ゆーちゃん!気に入っちゃった!」
「…っ!可愛いね、本当に!!」
そういって、微笑むまりかはとっても綺麗だった。

