「ゆめ、あんまりまりかと仲良くすんなよ」

「え?」

「あいつーー…」

「航平?」

「なんでもねぇ。」












仲良くするな…か。

信じてみる価値はある。

航平は、うそはつかないと思うから。

まりか、あたしはまりかがなに考えてるのかわかんないけど普通に友達になりたいよ。

そして自分たちの教室に入った。










「ちょっと航平!!足!下げれない!」

「足が長いんだから仕方ないだろ!?」

「なにその自慢!!いらない!!」

「ゆめはちんちくりんだもんなぁ?」

「うるっさい!!もう!!」

「お前らがうるさいわぁ!!!」

「「あ。すいません。」」

『ほんと仲良いよね〜』

『見ててあきねーよ〜』











みんなの笑い声と先生のため息が聞こえる。

あたしは最高潮に恥ずかしい。

こんな目立つなんて…!











「ゆめ、後で覚えとけよ?」

「こっちのセリフだから」

「お前ら!廊下に出てろ!」

「「はい…」」











廊下に締め出された。

廊下に立てば隣の様子が見える。

そう、舜の姿とその隣でクスクス笑うまりか。

絵になって、悔しいけど見惚れて。

ーーー敵わない、そう痛感する。

決意したばかりなのに。

応援すると決めたのに。

どうしてこんなに辛いんだろう。











「ゆめ?」

「ごめっ…こ、へい…」

「っ…だから言っただろ。今のうちだけだって」

「う、ん…うん…っ」











涙が溢れて止まらない。

どうしてこんなに好きなの。

どうしてこんなに苦しいの。

いやだよいやだよ、泣きたくないよ。

悲しい涙は流したくないよーー……!











「ゆめ、みるな。」

「航平、他愛のない話でもしてよ」

「お前は無茶振りだなー」

「笑わせて」

「無茶だよ。とりあえず、今日クレープ付き合え」

「ぷっ…それで元気付けたつもりなのー?」

「ばっか!!ちげぇし!!」












わかりやすいくらい態度と顔に出る航平。

どことなく舜に似てて、舜と違う。

泣きたくなんかなかったのに溢れた涙。

航平の前で泣くの多いなーなんて。

落ち着けるからかな、航平雰囲気。













「ゆめ、さぼんねぇ?」

「ざぼんねぇです」

「だるくね?」

「だるくねえです」

「お前そればかにしてんの?」

「ばかにしてません」

「いや、してるだろ!?」

「してないっていってるじゃない!!からかっただけよ!」

「それをばかにしてるっていうんだよ!ばーか!」

「お前たちは廊下でも静かにできんのか!!!」

「「あっ…もうなんもいえねー」」

「こっちがなんもいえねーだよ!!」











ちらっと隣のクラスを見ると舜と目があう。

苦笑いをするけど舜は苦しげに笑った。


ーーー違う、あたしじゃない。


あたしたちはそのあと案の定職員室によばれた。