「春かぁ〜はやいなぁ〜」
なんて独り言を言いながら部屋の窓を開ける。
気持ちのいい風がふわっと髪をなびきながら部屋に春の風が入る。
あたしは今日から、高校1年生だ。
新しい制服に体を包んで鏡で見る。
まだ見慣れない姿。
それでもなぜだか胸が高鳴る。
「ゆめー?早くしないと舜くん来るわよ〜!」
「はーい!!今行く〜!」
髪よし!制服よし!持ち物よし!メイクよし!
完璧っ!!!
「いってきまーす!!!」
ドアを開けるとそこにいるのは小さい頃から一緒の大好きな人。
「おはよ、ゆめ」
そういって微笑む舜はとてもかっこよくて。
つられてあたしも微笑んでしまう。
「舜、制服にあってるね!かっこいい」
「ゆめも似合ってる、まあまだ見慣れないけどな〜」
「これから見慣れるよ!そしてもっと似合うようになる!」
「そうだな〜始まったばっかだもんな!」
そういって、いつもの道をずっと隣で歩いてきた舜と行く。
あたしはこのときわかってなかった。
いつかこの思いが通じる、そうバカみたに信じて傷つくことを。

