アイネイアスいわく絶好のサボリスポットにて、半時間が経過したかと思われた頃。 彼女は、胸に抱いていたぬいぐるみの背中の、チャックをゆっくりと開けた。 「今日は、どうしようかしら」 彼女が取り出したのは、手のひらサイズの短編集。 人魚界製のもので、海の中はもちろん、陸上に上がってもきちんと読むことができるという優れものだった。 アイネイアスは、つい一週間前の誕生日、それを幼馴染からプレゼントされた。 「昨日は、白い雪の王子のお話だったから……」 そうして、彼女はページをめくる。