『寒いね~』
そう言いながら布団に入る。

「アキちゃんは冬が好きなんだよね?」
私を抱きしめながら言った。

『うん!毎年雪だるま作るんだ~今年は一緒に作ろうね♪』
この頃、コウちゃんのことは諦めてトモさんを好きになろうとしていた。

「うん。雪合戦もしようか?」
子どもと話すみたいに言った。

あの日から薬についても触れていない。
コウちゃんが私の側にいてくれるように、私もトモさんの側にいてあげたかった。

偽善かもしれない。
人は自分より弱いと思った人間を見ると優しくしたくなるモノだから。