変わらないモノ…

トモさんは私の大好きなジュースを買ってきてくれた。

一口飲んで沈黙になる。

『トモさん…どうして私なんですか?』
疑問を投げつけた。

「単純に惹かれた」
優しい口調のまま答える。

『私、まだ恋愛はできません。』
暗闇を利用してトモさんの顔は見ずに言った。

「まだって?」
少し間があってから聞いてきた。

『引きずってるの。元カレを…忘れられなくて、あの頃に戻りたくて体と心がバラバラになるの。だから恋愛はできない』
私は必死だった。
本当の気持ちを悟られないように。

「いいよ。」
少しの間もなく言った。

「元カレの代わりにはならないかもしれない。元カレを好きなままでいい。俺といて忘れられたら尚いい。けどそんな贅沢は望まない。来月から札幌で勤務になる。だからいつでも会える。ただ隣で笑ってて欲しいんだ。俺が笑わせるから…」
トモさんはゆっくり優しく諭すように私に言った。

断り方が分からない。
誰か…

『私でいいなら…』

止めて…

『…よろしくお願いします』



そして優しく笑ったトモさんの目に吸い込まれてキスをした。