ドス!!

鈍い痛みを感じて私は目を覚ました。

『ん?』
左のわき腹を押さえながら体を起こすと、目の前に男がいた。

「起きろ、仕事だろ?」
男は無愛想にそれだけ言って部屋から出て行った。

寝ぼけてボーっとしながら男の後を追う。

リビングのソファーに座り、タバコに火をつけた。

『コウちゃん?もうちょっと優しく起こしてよ。
毎朝痛い思いして起きたくないよ…』
男の顔色を伺いながら言う。

「森が起きないからだろ?
何回も起こしたのに喧嘩売ってくるし。
起こしてもらえるだけありがたいと思え。」
表情を変えずに言い放つ。