「セーフ」
「セーフじゃねぇよ大和。誰のおかげで間に合ったと思ってるんだよ」
「俺の脚」
「ふざけてるのか?」
「冗談だって冗談」
「おらー席つけお前ら」
教室のドアの近くで話していた俺たちは、担任の先生に怒られた。
「話は後でな!」
そう言って自分の席につく零。
…………席につきたいんだけど、俺の席がどこだかわからない。
「あ、有本の席は桐山の隣の隣な」
「はい」
先生に教えられてやっと自分の席に着くことができた俺だった。
「お前らは受験生だから気を引き閉めて行けよー。特に有本なー」
「え」
「え。じゃないぞお前は出席日数がギリギリなんだからな」
「はいはい。気おつけますよー」
「はいは、一回なー」
「はーい」
出席日数が足りないからって、他のやつの前で言わなくてもいいじゃんかよ。

