零は、肌が黒くスポーツ系の体つきなのに眼鏡をかけている………のに、今日のこいつはどう見てもどこ見ても眼鏡が見当たらない。
「眼鏡、どうしたんだ」
「眼鏡ー?気分ではずしてるんだよ~」
「あ、そういえば、お前伊達眼鏡だったな」
「そうだよ~。忘れてたとかないよな?」
「…………」
「あ!その顔は忘れてたなー!小学校からの腐れ縁なんだから、覚えてろよ!」
「すまん」と、言って腕につけている腕時計に目をやった。
「もう時間ねぇな。…行か」
「ないなんて言わないよな?」
「………」
「さっさと鞄もって行く!分かったか!?」
「………おう」
零って面倒見がいいんだな。俺が学校に行くって決めた日は必ず来てくれる。
かなり優しい性格だ。

