零が見えなくなると玄関のドアを開きリビングに向かった。
誰もいない家。
もう誰もいない家は慣れてるけど、まだ慣れていないところもある。
75パーセントぐらい慣れたかな。残りはまだ慣れていない。
「飯でも作ろ」
そう思って冷蔵庫の扉を開けた。
...何も無い。
困った。本当に何も無い。
スーパーに買いに行くのもだるい。
困った。すごく困った。
あ、そうだ。カップ麺にしよう。
...いろんなところを探したけどカップ麺はなかった。
最悪だ。
何食べよう。
あー。食べなくていいかな。
どうせ何もやらないし、
そんなことより、あの子。何なんだろ。
なんで俺に近づいてきたんだ?
いや、そんなことは分かってるんだ。
なんで、零が好きなんだ?
いい所あるけど、めったに女子と話さない人だし。共通点あるとは思えない。

