俺の愛した人



俺のことを好きになるやつなんてどこにもいないよ。

暗いし。勉強できないし。部活入ってないし。短所ばかりで長所がないこんな俺を。
好きになるやつなんて...。



零は男の俺から見てもカッコイイし、優しいし、女子にも男子にも人気だし。
俺と正反対。


零は好きなやつとかいそうなのに、俺は気になる人もいない。


今まで好きになったやつなんて数人もいない。



「あの子以外に好きな人でもいるのか?」

「は。俺にいるけなじゃん。零はいるのか?」

「......いない」


なんだその間は。
俺に隠してるんだろ?バレバレだよ。
ある女子が通ると零はずっとその子を見ている。
その子が見えなくなるまで。
俺は知っている。


「まぁ、いつか大和にも好きな人ができるって!安心しろ!」

「そうだといいな...」


「大和にも」って言った。
てことは零は確実に好きな人がいる。
たぶん俺の予想の子。
髪が長くて、じゃっかん紫っぽい髪色の女子。
零とお似合いな女の子。