俺の愛した人




下校の途中で零がこんなことを言った。


「なぁ。さっきのあの子。大和に名前で呼ばれてた時、顔。赤かったよな」



俺には何のことだか全然わからないんだが。どうしたらいいだろう。無視するか?
それはない。返事するか?どう返す。


また、返事に困る。


「あの子ってやっぱり、大和が好きなんじゃないのか?だって、パフェにも誘われたんだろ?」

俺が返事に困っていると、零が話を続けた。

「俺のことが好きなわけないだろ。パフェは...まぁ」

「いや、俺はお前のことが好きだと思うぜ?あの子」

「それは完全にないな」

「そうかぁ?」



俺のことが好きなわけない。だって、真琴は零のことが好きなんだから。