俺の愛した人




いた。


下駄箱の近くで誰かと話してる。
あれは、柊?
まだいたのか。零と話せてよかったな。


零が俺の存在に気づき話を終わらせる。

「大和が来たからまたな」

「うん。ばいばい」




「大和帰ろーか」


「帰ろーかじゃないし。置いていきやがって」

「そうだっけ?」

「そうだよ」


「あの子に挨拶しなくてもいいのか?」


零の視線の先には柊がいる。
柊にまたなって言えってことか?

「真琴。じゃあな」



あ、初めて名前で呼んだ。

今までは柊って自分の中で呼んでたけど関係ないよな。



「零。帰るぞ」

「お、おう」



柊を置いて俺たちは下駄箱から自分の靴を取り出して帰った。