俺が意識を取り戻しはのは事故に遭ってから5日のことだった。


「……………」


しばらく周りを見渡した。

どこを見ても白。真っ白。


「ここは、病院……?」


一言俺が言うと、病室のドアが開いた。
入ってきたのは看護師らしき人。

「あら、目が覚めた?ちょっと待っててね。先生呼んでくるわ」

そういって病室を後にした看護師。

2、3分がたってまたドアが開いた。


また看護師が来たのだ。今度は老人の先生をつれて。

「どうだね。体調は」

「…よくも、ないです……」

「そうか。君は5日間ずっと眠っていた...ところで、君の両親のことだが……」

「…っ!」

先生の目を見て話していなかった俺は先生のその一言に瞬時に反応し、先生を見た。


「君の両親は、君を庇って……」

「それ以上………。言わないでください………」

「わかった。……高木くん、一応彼を診てくれ」


高木くんと呼ばれは看護師は、短く「はい」と言いながら俺を見た。

「こちらへ」

俺は黙って着いていく。一応は歩けるけど、前みたいにスタスタは歩けない。
なので、看護師が俺の歩くスピードに合わせてくれた。




診察を受けているときも異常なしと言われたときもずっと、頭の中は病室の壁のように真っ白だった。