俺の愛した人



そう言うと、彼女は歩き出した。



俺はその彼女の後について行く。
どこに行くかは分からない。

とりあえず、ついていく。





しばらくして、彼女が振り向いた。


「あたしの名前、知ってます?」


「いや、知らないな。ごめん」


「いいんです。だって教えてないんですもん」

「名前は」


「あたしの名前は、柊真琴<ヒイラギマコト>よろしくね」

「柊......」

「そ、あたしの事は真琴って呼んでよ」

「いや、いきなり名前は...」

「えー。あたしは君のこと大和って呼ぶよ?だから、あたしの事も名前で呼んで?」

「...頑張る」




彼女のことを一つだけ知れた。


名前は柊真琴。

真琴って呼んでほしいようだ。
まぁ、あまり呼ばないと思うけど。必要な時以外な。