扉の鍵を外して、扉を開け家の中に入る。


「ただいま……」


帰ってくる返事はない。

この生活には慣れたのに、いまだに慣れていないことないことが多々ある。

とりあえず、リビングに通じる扉を開け、鞄を机の上にのせご飯の準備をする。

ご飯と言っても軽くするだけで。
少し料理ができるようになったけど、俺以外食べる人がいないならちゃんとしなくてもいいんじゃないか。と思い、簡単にしてしまう。



栄養をちゃんと取らなきゃいけないのは分かってる。
わかってるけど、やっぱりちゃんとしたご飯を作るのはやめてしまう。

ご飯の話は置いといて、私服に着替えなきゃいけない。汚れたりしたら、いろいろ大変だからだ。

だから2回に上がって自室に向かう。
俺の部屋は階段を上がって左に行くとある。


部屋の中はいたってシンプル。
両親の写真を置いたり、幼い頃に買ってもらったトラの人形がおいてあったり。

いろは白黒に統一してある。白黒は一番落ち着く色だから。目がチカチカしたりしないし思い出したくないのを思い出さなくて済む。


クローゼットから適当に服を取り出す。

私服は、シンプルだったりカジュアルだったり。