「じゃあ、鑑識が退出したら後は片付けも掃除も自由にどうぞ。



ショックだと思うけど必ず連絡するから、
それ以上おかしくならないで過ごしてよ?」



ショックです。

うん。
ヒマちゃんラリちゃんの件も、荒川さんの件も、
ショックですよ。



「はいはい、次に会うまで変な女じゃなくなっておきますよ、えぇ。

荒川さん、最近冷たいぞー」



気まずいのが嫌で、照れ隠しに悪態をついた。



「……………りさんの、ほうだろ……」



「ん?ごめん、何て言ったの?」



「!!!」



突然、荒川さんに両手をとられて固まってしまった。

それと同時に激流が流れ込んできた。

キャパシティオーバーになるくらいの量の心が視え、聴こえた。



《冷たいのは、百合さんのほうだろ?

もう、わかってるよね?

俺、貴女がどう思っていても、ずっと気持ち変わらないから。

だから、ちゃんと前みたいに、
触ってよ、百合さん!!》



な、何が、何が起きた?!



なぜ、私は今
荒川さんに抱きしめられているの?!



彼の大きな腕の中で、
恥ずかしさと、驚きと、困惑と、
そして、
幸せな気持ちに包まれていた……。