荒川さんに依頼された捜査のボランティアでは、

黙秘し続けていたり、証拠が無くて証言の裏付けが難しかったり、
精神鑑定で異常が認められないのに対話が困難だったり……。



そんな犯人や容疑者の心を視て真実は何かを知ることが私の仕事。



初めは、直接、体に触ることが怖かったけど、いつも荒川さんが同席してくれるので、
暴言を吐かれることはあっても、怪我をさせられることはない。



報告書は書くけど、私の力を使って得た情報が正式に扱われる事はなく、証拠にはならない。

が、『捜査する上での決め手になる。信頼できる情報だ』と、荒川さんは言う。



ボランティアを引き受けようと思ったのは、

荒川さんの熱心な誘いに圧された事もあるけど、
この力を「神様からのプレゼント」だと言ってくれた母の『自分にも人にも、薬になる様に、力を正しく優しく使って生きていって欲しい』という言葉があったから。



私が余計な力だと呪い、苦しみ悩んだモノが、世の中の役に立つことが嬉しかった。



私をボランティアに誘ってくれて本当に感謝している。